Eco Life Guide

Eco Life Guide   社会に優しいお金の使い方

Introduction はじめに…
はじめに

~私たちとお金の関わりについて~

~私たちとお金の関わりについて~

…現代のお金の不安… TITLE

現代のお金の不安TITLE

今、インターネットや雑誌などでは、毎日のように 「資産運用」について様々な情報が取り上げられています。 「お金の話は人前でしたくない」「投資はギャンブルだ」など、 お金というとネガティブなイメージを持たれがちですが、 私たちを取り巻く環境は大きく変わってきています。 これからは、お金について勉強し、計画し、 自分で考えて動いていくことが求められています。 具体的には、どのような環境になってきたのでしょうか?今、インターネットや雑誌などでは、毎日のように 「資産運用」について様々な情報が取り上げられています。 「お金の話は人前でしたくない」「投資はギャンブルだ」など、お金というとネガティブなイメージを持たれがちですが、私たちを取り巻く環境は大きく変わってきています。 これからは、お金について勉強し、計画し、自分で考えて動いていくことが求められています。 具体的には、どのような環境になってきたのでしょうか?

銀行預金だけではお金を守れない?
銀行預金だけではお金を守れない?

1990年代は、1年定期預金の金利でも約6%、100万円を1年預けただけで、6万円(税引き前)の利息が付きました。貯金していれば、10年で倍になったと言われた時代です。 現在は低金利が続き、例えばゆうちょ銀行の5年定額預金の金利は0.002%。 100万円預けた場合の5年間の利息は、税引き前でわずか100円です。 ATMの手数料が1回でも発生したり、 5年後に物価が上がり、1万円で買えていたものが1万500円になってしまったりしたら、 実質目減りしてしまうとも言えるでしょう。

1990年代は、1年定期預金の金利でも約6%、100万円を1年預けただけで、6万円(税引き前)の利息が付きました。貯金していれば、10年で倍になったと言われた時代です。 現在は低金利が続き、例えばゆうちょ銀行の5年定額預金の金利は0.002%。 100万円預けた場合の5年間の利息は、税引き前でわずか100円です。 ATMの手数料が1回でも発生したり、 5年後に物価が上がり、1万円で買えていたものが1万500円になってしまったりしたら、 実質目減りしてしまうとも言えるでしょう。

長生きがリスクに?
長生きがリスクに?

世界の中でも、日本人は長寿と言われているのは有名ですね。2021年に厚生労働省が発表した平均寿命は、女性は87.45歳、男性は81.41歳という結果となり、世界でもトップレベルを維持しています。 また、同じく発表された平均余命(ある年齢の人が、平均的にあと何年生きるのか、という数字)では、例えば、今40歳の人であればあと40年以上、今20歳の人であれば、あと60年以上生きるという数字が発表されました。 「人間50年」と唄われた時代もありましたが、今や「人生100年時代」、現代の私たちの人生は、とても長くなりました。

世界の中でも、日本人は長寿と言われているのは有名ですね。2021年に厚生労働省が発表した平均寿命は、女性は87.45歳、男性は81.41歳という結果となり、世界でもトップレベルを維持しています。 また、同じく発表された平均余命(ある年齢の人が、平均的にあと何年生きるのか、という数字)では、例えば、今40歳の人であればあと40年以上、今20歳の人であれば、あと60年以上生きるという数字が発表されました。 「人間50年」と唄われた時代もありましたが、今や「人生100年時代」、現代の私たちの人生は、とても長くなりました。

老後の年金不安
老後の年金不安

私たちの寿命がどんどん長くなっていく一方で、発生する新たな不安は老後の年金です。 その不安に多くの人が注目したのは、2019年6月に金融庁が発表した、個人の資産形成を促す「高齢社会における資産形成・管理」の報告書でした。この中で、老後資産が2000万円不足するとの試算が示され、多くの人が衝撃を受けました。もちろん、老後に必要な金額はそれぞれのライフスタイルによって異なります。 ですが、日本の年金制度のベースである賦課方式は、働く現役世代の税金をベースに年金を支払っているので、人口の減少が続く日本において不安が高まるのはやむを得ないかもしれません。 1950年代には、12.5人の現役世代が1人の高齢者を支えていましたが、2015年には2.3人で1人の高齢者を、2065年には、1.3人で1人の高齢者を支える必要があると予想されています。(「平成29年版高齢社会白書(全体版)」内閣府)

私たちの寿命がどんどん長くなっていく一方で、発生する新たな不安は老後の年金です。 その不安に多くの人が注目したのは、2019年6月に金融庁が発表した、個人の資産形成を促す「高齢社会における資産形成・管理」の報告書でした。この中で、老後資産が2000万円不足するとの試算が示され、多くの人が衝撃を受けました。もちろん、老後に必要な金額はそれぞれのライフスタイルによって異なります。 ですが、日本の年金制度のベースである賦課方式は、働く現役世代の税金をベースに年金を支払っているので、人口の減少が続く日本において不安が高まるのはやむを得ないかもしれません。 1950年代には、12.5人の現役世代が1人の高齢者を支えていましたが、2015年には2.3人で1人の高齢者を、2065年には、1.3人で1人の高齢者を支える必要があると予想されています。(「平成29年版高齢社会白書(全体版)」内閣府)

…お金と社会問題のつながり…TITLE

…お金と社会問題のつながり…TITLE

上記の通り、私たちはお金とずっと付き合っていく必要があります。 どうやってお金を貯めようか、 どうやって増やしていけばいいのか、 どんな選択肢があるのか・・・ 今すぐ不安解消のために動きたくなりますが、その前に、 是非一緒に考えていきたい大切なことがあります。 それは、私たちのお金と社会問題の関わりについてです。上記の通り、私たちはお金とずっと付き合っていく必要があります。 どうやってお金を貯めようか、どうやって増やしていけばいいのか、どんな選択肢があるのか・・・ 今すぐ不安解消のために動きたくなりますが、その前に、 是非一緒に考えていきたい大切なことがあります。 それは、私たちのお金と社会問題の関わりについてです。

金融って何だろう?
金融って何だろう?

皆さんは、日々の生活の中で、自分のお金が社会問題とつながっている、と感じたことはありますか? 私たちの生活は、お金を媒介とする「金融」の機能によって多くを支えられています。「金融」というと難しいイメージがありますが、シンプルに言えば、お金に余裕のある人から、お金が必要な人へ、お金を融通すること。日々の買い物や、友人との食事で一時的に立替えることも、金融の一つといえます。 金融には、大きく分けて二つの仕組みがあります。 ひとつが、銀行を介してお金を融通する「間接金融」です。 私たちは預金者として銀行にお金を預けます。そして銀行は、企業やプロジェクトなどに私たちのお金を融資したり投資したりします。銀行からサポートを受けた企業やプロジェクトは、モノやサービスを作り出して私たちに提供します。銀行が専門家として融資先・投資先を選ぶ為お金の流れは分かりにくい反面、銀行がリスクを負いますので、私たちは安心して預金できると言えます。

皆さんは、日々の生活の中で、自分のお金が社会問題とつながっている、と感じたことはありますか? 私たちの生活は、お金を媒介とする「金融」の機能によって多くを支えられています。「金融」というと難しいイメージがありますが、シンプルに言えば、お金に余裕のある人から、お金が必要な人へ、お金を融通すること。日々の買い物や、友人との食事で一時的に立替えることも、金融の一つといえます。 金融には、大きく分けて二つの仕組みがあります。 ひとつが、銀行を介してお金を融通する「間接金融」です。 私たちは預金者として銀行にお金を預けます。そして銀行は、企業やプロジェクトなどに私たちのお金を融資したり投資したりします。銀行からサポートを受けた企業やプロジェクトは、モノやサービスを作り出して私たちに提供します。銀行が専門家として融資先・投資先を選ぶ為お金の流れは分かりにくい反面、銀行がリスクを負いますので、私たちは安心して預金できると言えます。

もう一つが、私たちが直接会社や国に融資したち投資したりする方法です。これは、「直接金融」と言われています。国や会社などが株や債券などの有価証券を発行して、投資家から資金を直接調達する取引などを指します。証券会社は仲介を行いますが、お金が減ってしまう等のリスクは私たちが負います。銀行を介さないため、自分たちの目でしっかりと投資先を見極める目利きが必要ですが、お金の流れが分かりやすいのが直接金融と言えるでしょう。

もう一つが、私たちが直接会社や国に融資したち投資したりする方法です。これは、「直接金融」と言われています。国や会社などが株や債券などの有価証券を発行して、投資家から資金を直接調達する取引などを指します。証券会社は仲介を行いますが、お金が減ってしまう等のリスクは私たちが負います。銀行を介さないため、自分たちの目でしっかりと投資先を見極める目利きが必要ですが、お金の流れが分かりやすいのが直接金融と言えるでしょう。

銀行にお金を預けるとどうなる?
銀行にお金を預けるとどうなる?

今回、この「間接金融」の仕組みを通して、お金と社会問題のつながりを考えてみましょう。 多くの方が、アルバイト代やお給料などを受け取るために銀行に口座を開き、銀行にお金を預けていると思います。 銀行にお金を預ける時に、私たちは利便性や金利などを調べますが、その預金がどのような会社や経済活動に使われているかを、意識してみたことはありますか?

今回、この「間接金融」の仕組みを通して、お金と社会問題のつながりを考えてみましょう。 多くの方が、アルバイト代やお給料などを受け取るために銀行に口座を開き、銀行にお金を預けていると思います。 銀行にお金を預ける時に、私たちは利便性や金利などを調べますが、その預金がどのような会社や経済活動に使われているかを、意識してみたことはありますか?

例えば、気候変動問題
例えば、気候変動問題

近年、世界各地で発生している異常気象。日本でも猛暑日や局地的な豪雨、激しい降雪など、日々の生活で今まで見たことがなかったような気候の変化を感じることもあると思います。 気候変動の要因には自然現象によるものと人為的なものがあると言われていますが、人為的なものの中で注目されているが、石炭や石油などの化石燃料の消費による大気中の二酸化炭素濃度の増加によるものです。 この気候変動は一刻を争う国際的な課題です。深刻な干ばつや豪雨、海面上昇などによって、農作物が収穫できなくなったり、住む土地を追われ難民になってしまう人々も出てきています。

近年、世界各地で発生している異常気象。日本でも猛暑日や局地的な豪雨、激しい降雪など、日々の生活で今まで見たことがなかったような気候の変化を感じることもあると思います。 気候変動の要因には自然現象によるものと人為的なものがあると言われていますが、人為的なものの中で注目されているが、石炭や石油などの化石燃料の消費による大気中の二酸化炭素濃度の増加によるものです。 この気候変動は一刻を争う国際的な課題です。深刻な干ばつや豪雨、海面上昇などによって、農作物が収穫できなくなったり、住む土地を追われ難民になってしまう人々も出てきています。

銀行と石炭火力発電
銀行と石炭火力発電

この課題を世界で解決すべく、2015年12月にフランスのパリで開催されたCOP21(気候変動枠組み条約大21回締結国会議)にて、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。この合意により、京都議定書の成立以降長らく日本が主張してきた「すべての国による取り組み」が実現しました。 そして、多くの国々は、温室効果ガス削減に向け、化石燃料からより温室効果ガスの排出が少ない方法を選び始めています。

この課題を世界で解決すべく、2015年12月にフランスのパリで開催されたCOP21(気候変動枠組み条約大21回締結国会議)にて、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。この合意により、京都議定書の成立以降長らく日本が主張してきた「すべての国による取り組み」が実現しました。 そして、多くの国々は、温室効果ガス削減に向け、化石燃料からより温室効果ガスの排出が少ない方法を選び始めています。

しかし、
しかし、

2021年2月に発表された「石炭産業に投融資する世界の金融機関・投資家に関する最新の調査結果」によると、日本の金融機関が石炭産業への融資総額で世界第1位となり、3メガバンクが2回連続でトップを独占しているとのことでした。(特定非営利活動法人気候ネットワークWebサイトより。詳細はこちらをクリック) 世界中がパリ協定の実現に向けて石炭火力発電の抑制に努めている中、私たちが預けたお金の一部が、世界の流れとは逆行する方向に使われています。

2021年2月に発表された「石炭産業に投融資する世界の金融機関・投資家に関する最新の調査結果」によると、日本の金融機関が石炭産業への融資総額で世界第1位となり、3メガバンクが2回連続でトップを独占しているとのことでした。(参照:https://www.kikonet.org/info/press-release/2021-02-25/GCEL-finance-report-2021) 世界中がパリ協定の実現に向けて石炭火力発電の抑制に努めている中、私たちが預けたお金の一部が、世界の流れとは逆行する方向に使われています。

重要な鍵の一つは私たちの「お金」
重要な鍵の一つは私たちの「お金」

このように、私たちが想定もしないところで、一部とは言え私たちの預金が社会問題に関係しているのです。ということは、私たちが「環境や社会を良くしていこう」という意思を持ってお金を使うことで、より良い方向に社会を変えていけるということでもあるのです。 私たちが一生を通して付き合っていく「お金」は、そういう力を持っています。 そんなお金の流れを意識していく方法を、次ページから紹介していきます!

このように、私たちが想定もしないところで、一部とは言え私たちの預金が社会問題に関係しているのです。ということは、私たちが「環境や社会を良くしていこう」という意思を持ってお金を使うことで、より良い方向に社会を変えていけるということでもあるのです。 私たちが一生を通して付き合っていく「お金」は、そういう力を持っています。 そんなお金の流れを意識していく方法を、次ページから紹介していきます!